Medical
診療内容

一般診療治療

一般内科、外科、ワクチン接種、各種予防など
地域のかかりつけ医として広く診療しています。

体の不調や病気は、体の一臓器などの一部分だけが侵されているのではなく、体の臓器、機能はすべてお互いが影響し合っているという全体医療を基本にしているので、日常生活の中に診断や治療のヒントがある場合も多く、問診も重視しています。

現代西洋医療はもちろん、西洋医療が不得手な領域をカバーするため、ホメオパシー、レーザー治療を時には中心に、時には補完的に取り入れています。

複雑な病気、手術の場合は、二次診療施設への受診をおすすめしており、紹介しています。

フィラリア予防

フィラリアは蚊が吸血する際に媒介し、心臓に寄生する寄生虫です(犬、猫、フェレット)。

蚊が飛び始める春から初冬まで、毎月1回予防薬を投与することなどで感染を防ぐことができます。当院では5月から11月までを予防薬投薬期間として推奨しています。

また、最近は暖冬の影響で、最後の投薬後に蚊が見られるときもあり、住んでいる環境によっては12月まで投与した方が良い場合もあります。

犬のフィラリア予防薬

犬のフィラリア予防薬は現在いろいろな種類があり、大きく分けると内服、外用(スポット剤)、注射薬の3種類です。毎年予防開始前には、少量の血液を取って、前年の予防で現在フィラリアに感染していないということを確認してからどの予防薬も開始します。

このとき、希望者には、少し多めに採血し、健康診断(さくら検診)として年1回の健康チェックを行っています。
万が一、投薬ミスや投薬忘れなどでフィラリア検査が陽性だった場合には、投薬処方が変わりますので、必ずフィリア検査が必要です。前年の予防薬が残っていても、検査が終わってから与えるようにして下さい。

内服

当院ではチュアブルタイプと錠剤タイプを扱っています。月1回投薬。フィラリアの他に消化管内寄生虫(回虫など)も予防できます。
ジャーキーなどのおやつが好きな犬にはチュアブルタイプ(イベルメック)は犬も喜び、投薬が楽に管理できます。チュアブルのような噛んで食べるタイプが苦手な犬には錠剤(ミルベマイシン)があります。

チュアブルタイプには、フィラリア、ノミ、ダニ予防が毎月1個の投与でできてしまうオールインワンタイプもあります。
薬効成分の関係で、コリー系(シェルティ、ボーダーコリーなど)は、ミルベマイシンA錠という錠剤を推奨しています。

外用滴下薬(スポット剤)

レボリューションはフィラリアだけではなく、ノミ、消化管内寄生虫(回虫など)も予防できます。月1回塗布。 錠剤など変わったものは食べないで出してしまうという場合や、ノミも一緒に予防したいというときには1本で全て予防可能なので便利です。

注射薬

プロハート12はワクチンではなく、内服にも使われているフィラリア予防薬を1年間持続の注射薬にしています。したがってワクチンのようにフィラリアに対する抗体を作っているわけではありません。注射すると1年間持続して体内に薬効成分が放出されますが、1年後には追加接種が必要です。1回注射すると1年間効果が持続するため、フィラリアにかかっている場合はリスクが高く使えません。また成長期の子犬は体重が大きく変化するため、1歳未満は使えません。

当院では、毎年1月から3月までをフィラリア注射による予防月間としています。万が一、少し注射時期が遅れても、この季節なら蚊から新たに感染するリスクが少ないからです。
また春の混んでいる時期にフィラリア予防で来院する必要が無くなります。

猫のフィラリア予防薬

2010年、西宮市内でもマンションでの室内飼育猫のフィラリア感染例が報告されました。猫は犬と異なり、検査でフィラリア感染を確認することや、治療が困難なので、予防することが大切です。1本でノミとフィラリアと同時に予防できるスポット剤が使えます。

フェレットの場合

現在、日本国内でフェレット専用のフィラリア予防薬は手に入りませんので、犬用のフィラリア予防薬(ミルベマイシンA)を体重にあわせて使っていただいています。月1回投薬(内服)

ノミ・ダニ予防

ノミ、ダニ(マダニ)は、哺乳動物の血液を吸って栄養分としていますが、病気を媒介することも知られています。

ノミは犬にも猫にも寄生します。皮膚の上に住み着き、吸血して産卵します。卵からふ化した幼虫は、サナギを介して成虫になります。ノミは被毛をかき分けたときに、黒いごま粒のようなものが素早く移動していく姿を見て気づくことがあります。時にはびょ~んと高く飛んでどこかへ行ってしまいます。ノミを捕まえてもツメの先でつぶさないようにしましょう。卵を持っているメスノミの場合は、卵が散って新たな感染源となります。

動かないごま粒のようなものはノミの糞の可能性があります。濡らしたティッシュの上に黒い小さな粒をのせてみると、ノミの糞なら、時間がたてば濡れたティッシュに赤黒い色がつきます。ノミは吸血して生きているので、その糞もまた血液でできています。

マダニはノミに比べて、素早く動くことはありません。犬や猫の頭、耳、目の回り、足先などに小豆大に膨れたイボのように付着しています。これら哺乳動物に吸血するマダニは、ハウスダストのようなホコリの中に住む小さなダニとは異なります。マダニの体は吸血前は平たく、よく見ると小さな脚がたくさんついていますが、おなかいっぱい吸血すると小豆のようにふくらみます。がっちりと皮膚に食らいついているのでなかなか取ることができません。無理に取り除こうとすると、ダニの頭と胴体がちぎれて、頭のみが皮膚にくっついたまま残ってしまうので、とれないときは動物病院で取ってもらいましょう。

このあたりでは、昔から六甲ダニは怖いといわれていたように、ダニから犬にバベシアという赤血球の中に住む小さな寄生原虫を媒介することが知られており、特に山間部ではダニ予防は必要です。バベシアは赤血球内で増殖して、次々赤血球を破壊していくため、発熱、貧血、黄疸、黄色い尿が特徴的です。発見治療が遅れると命に関わります。また治療薬には副作用のリスクもあるので、かかったら治療と軽く考えずにダニ寄生を予防しましょう。最近では六甲山系から降りてくるイノシシにもダニやシラミが寄生して公園などに落としていくので、町中でもダニを気にする飼い主は多くなりました。また、マダニは人にもウイルス性の病気を媒介することが知られています。最近ではSFTS重症熱誠血小板減少症をおこすウイルスがダニを介して犬猫などの哺乳動物、人にも感染し、人でも死亡例があるなど注意が必要です。詳しくは厚労省のホームページをご覧ください重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について (mhlw.go.jp) マダニの多い山やキャンプなどには、犬にダニ予防をしていくことはもちろんのこと、人も長袖長ズボンなど肌の露出をできるだけ控え、マダニとの接触を防ぐことが重要です。

ノミやダニは人には居着いて寄生することがありませんが、一時的に吸血することはあります。また猫のノミ予防は、猫ひっかき病を予防することにもなります。

内服薬

当院では月1回のチュアブルタイプ(ネクスガード、シンパリカ、クレデリオなどのおいしいフレーバー錠)、3ヶ月に1回のチュアブルタイプを取り扱っています。スポット剤で被毛がべたつくのが気になる場合、被毛が密でうまくスポット剤がつけられない場合、シャンプーや水浴が多い場合、皮膚疾患がある場合などは内服も選択できます。

残念ながら猫には今のところ内服のノミダニ予防薬はありません。
フィラリアも同時に予防する場合、ネクスガード スペクトラ、クレデリオプラスがあります。

外用スポット剤

ノミダニのみの予防薬(フロントラインプラス)とフィラリアとノミを1剤で予防できるレボリューションがあります。どちらも月1回投薬で、犬猫共に使えます。

健康診断

当院では犬・猫において、いくつかの健康診断をご用意しています。
さくら検診(犬)

桜の季節に、フィラリア検査の際にあわせて行う血液検査です。ワクチンの抗体価測定、甲状腺ホルモンT4の測定などもオプションで選べます。

犬にとっても1回の採血で、フィラリア検査と健康診断が行え、別の機会にするより費用も経済的です。採血は絶食で受けることをお勧めしています。これまで、さくら検診で、血小板減少症、脂質代謝異常、タンパク漏出症、甲状腺機能低下症、腎不全などが早期に発見されています。フィラリア検査以外の検査結果報告は1週間後になります。

もみじ検診(猫)

犬にとって桜の季節が大事なら、猫には苦手な冬に備えて秋のもみじの季節に健康管理として血液検査を推奨しています。ワクチン接種にあわせて検診を受けている猫も多くいます。外に行く猫にはオプションで、ネコエイズFIV、ネコ白血病Felv検査、甲状腺ホルモン値T4、腎機能検査SDMAもあります。早期の腎不全、白血球の異常などが見つかっています。

結果は1週間後になります。

バースデイ検診(犬、猫)

犬猫ともに、1年に1回、血液検査の他に総合的な健康診断を用意しています。さくら検診を受けている犬の場合、組み合わせて秋にバースデイ検診を受けている方もあります。
7歳未満のヤング検診は血液検査、尿検査、便検査と一般検診
7歳以上のシニア検診では、血液検査の他にレントゲン撮影、心電図なども行います。

犬では甲状腺、猫では甲状腺及び腎不全の早期発見のための検査を行っています。
事前予約が必要です。結果は1週間後に報告になります。

腸内寄生虫予防

検便によって消化管内寄生虫の検査を行っています。

多くの消化管内寄生虫(回虫、鉤虫、鞭虫など)、原虫(コクシジウムなど)は簡単な糞便検査で発見可能ですが、ジアルジア、トキソプラズマなどは糞便検査で見つかりにくく、時には外注の遺伝子検査(PCR検査)になることもあります。

最近このあたりでは、子犬子猫の時にきちんと発見、駆虫されていれば新たに感染することは少なくなりました。

当院では、特に子犬、子猫では初回無料で検便を行っていますので、少量の便をお持ち下さい。

ワクチン接種

ワクチン接種は、命に関わる重大なウイルス感染症を予防するために重要なものです。ワクチン抗体価の測定も行っています。

しかし、ワクチン接種後に、嘔吐、起立不能、全身のかゆみ、顔が腫れる(ムーンフェイス)、発熱、食欲不振などの重大な副反応が起こることがあります。このような副反応をできるだけ避けるためには、体調の良い日に接種する、接種後は激しい運動を避けることが重要です。様子を見るため、夜ではなく午前中に接種することも推奨しています。また、ホテルなどに預ける場合、直前にワクチン接種に来られる方がありますが、ワクチン接種後、すぐに抗体価はあがりません。ワクチン接種とホテルというダブルのストレスに体がさらされ、体調を崩すことがありますので、ホテル前のワクチンは遅くとも2週間以上前には済ませて下さい。また基本的に、混合ワクチン、狂犬病ワクチンどちらが先でも、1ヶ月以上期間をあけて次のワクチンを受けて下さい。

シャンプーは人にとっては心地よいものでも、犬猫にとっては、体全体が濡れるということで体力を落としたり、また長時間緊張を強いられ疲れるものです。ワクチン接種後1週間はシャンプー、トリミングを避けていただくことも体調を崩さないために大事なことです。

ワクチン接種後に副反応が起こることがあり、最悪死に至ることもあります。

犬のワクチネーション

2種、5種、6種、8種、10種のワクチンを扱っています。

6種は主に子犬用に、8種、10種は山間部に住む犬、キャンプに行くなどアウトドアタイプ生活の犬、年1回でも田舎に帰省する犬などに推奨しています。8種、10種には、人獣共通感染症のレプトスピラ症のワクチンが含まれており、野生動物と生活環境が重なるエリアに住んでいるか、そのようなところに出かける場合に使われています。

子犬のワクチネーションプログラムについて

当院では、子犬時の最終ワクチン接種が生後4ヶ月以降になるように組んでいます。

母乳などから得られる移行抗体が子犬体内にある間は、ワクチン接種を行っても子犬自体が自己の抗体をほとんど作らないからです。移行抗体が子犬体内から消失していく時期には個体差があり、生後4ヶ月になればほぼ全ての子犬が移行抗体を持っていないと考えられています。2回接種か3回接種になるかは、生後4ヶ月にかかるかどうかで決まります。

混合ワクチン接種が全て終了してから、1ヶ月以上開けて狂犬病予防注射となります。

成犬のワクチネーションについて

基本的には、混合ワクチン、狂犬病予防注射とも年1回接種でした。混合ワクチンでは副反応を何回もおこした場合など接種回数を減らすために、毎年抗体価を測定して、抗体価が下がった場合にのみワクチン接種をしている犬もあります。しかし、WSAVA世界総動物獣医師会のワクチンガイドラインに基づき、欧米では多くの国が基本となる5種混合ワクチンを子犬で3回接種後、1歳でブースター接種を行い、その後は3年に1回の接種を取り入れています。これは成犬の多くが、3年は十分な抗体価を維持していると報告されているからです。これは当院の10年以上にわたる抗体価検査でも同じ傾向が得られています。
したがって当院では現在、5種混合についてはこれまで通りの年1回接種、抗体価確認後の3年に1回接種などが選べるようになっています。8種、10種などのレプトスピラが含まれるワクチンについては、レプトスピラのワクチンの抗体価が上がりにくいことから、こちらのワクチンについては毎年接種となっています。

また、狂犬病ワクチンについては狂犬病予防法による既定の為、年1回接種は変わりません。
(justanswer.com)
混合ワクチンと狂犬病は1ヶ月以上期間をあけ、体調の良い日の午前中に来院して下さい。

猫のワクチネーション

3種混合ワクチンを取り扱っています。犬同様、体調の良い午前中を選んで接種に来て下さい。猫についても、ワクチンガイドラインにより抗体価測定や2-3年に1回接種が可能です。

子猫のワクチネーションプログラムについて

子犬とほぼ同様ですが、子猫の時にウイルス感染症にかかっていることも多く、治療が終了してから接種することも少なくないので、1回しか接種しない場合もあります。

検査

一般血液検査、血清生化学検査、電解質、CRP、血液ガス検査、フィラリア検査、便中寄生虫検査、レントゲン検査、超音波(エコー)検査、内視鏡検査、尿検査、心電図測定、血圧測定、血中酸素飽和度SpO2測定、眼圧測定などが院内で実施できます。

病理検査や細胞診、特殊な検査は各種検査機関へ随時依頼しています。

手術入院

手術:不妊手術(オス、メス)を始め、腫瘍切除など広範囲にわたって全身麻酔下、または局所麻酔下での手術を実施しております。

半導体レーザーメスを積極的に取り入れ、出血や痛みの少ない手術を目指しています。複雑な手術など手術内容によっては二次診療施設での手術を紹介しています。

入院:酸素室が可能な入院室、伝染病などの隔離可能な入院室も備えています。

検査、手術、治療のための入院の他、持病や介護のためにペットホテルを利用できない場合もお預かりしていますが、健康な動物のホテルは基本的にはお受けしていません。

末期ケア

残された時間、動物たちが心穏やかに過ごせるように症状に合わせたプランを考えます。

残念ながら、慢性腎不全、慢性心不全、末期の腫瘍、老衰など、すでに積極的に治療を行う時期ではない状態であると診断されることもあります。

しかし、完治は望めなくても、残された時間を苦痛が少なく、できうる限り穏やかに過ごさせてあげたいと思う気持ちは誰でも同じではないでしょうか。

旅立つ前の期間は、旅立ちのための準備期間かもしれませんが、家族として一緒に過ごしてきた飼い主の皆さんには心が張り裂けそうにつらい時期でもあります。

しかし涙ばかり見せていては、病気の動物たちにかえって不安を与えます。

残された時間を大事に使いましょう。自宅で飼い主の皆さんと過ごすことが一番のお薬かと思いますが、そのためには悪くなってからの対処ではなく、悪くならないように維持する方法を考えなくてはなりません。

残された時間、動物たちが心穏やかに過ごせるようにすることが末期ケアの医療であり、完治するための医療とは異なります。そのことをお互い理解した上で、症状にあわせたプランを考えます。

残された時間が後どれくらいかを考えるのではなく、たとえ明日別れるようなことになっても悔いのない時間の使い方を考えましょう。

しつけ・飼い方指導

犬や猫を家族に迎えたら、一緒に楽しく暮らすために動物たちには人間のルールを少し学んでもらい、飼い主も動物たちの習性に配慮し暮らしましょう。

犬やネコを家族に迎えたら、一緒に楽しく暮らしたいもの。そのためには、動物たちにも人間のルールを少し学んで協力してもらわなくてはなりません。もちろん、動物を家族として迎え入れるには、人間の方も動物たちの習性に配慮し協力してあげなくてはなりません。たとえば、犬では毎日散歩に連れていって十分運動させること。ネコではトイレを毎日変えて清潔に保つことなど。

フードや水を与えることはもちろんですが、その時間については、人間の生活ルールに協力してもらいましょう。フードや犬の散歩の時間はいつもぴったり同じである必要はありません。休みの日は遅くまで寝ていて良いのです。フードの時間は、リーダーである人間が決めるべきことで、犬が「お腹すいた。ごはんちょうだい!」と要求しているからといってわざわざ起きてあげる必要はありません。ただし、室内でトイレができない犬の場合は、トイレをあまり長く待たせると、飼い主の仕事が増えることになります(トイレを失敗して)。

ネコも時にフードをねだって起こしに来ますが、基本的には布団にでも潜って無視して下さい。ネコは午前4-5時に食べる習性があるので、夜寝る前に置き餌を忘れずにおいておきましょう。犬やネコのおねだりを認めると、いつも要求を聞いてくれて当たり前という構図ができあがってしまい、人はその呪縛からなかなか逃れられなくなります。

基本的に、ネコやハムスターは夜行性の動物です。従って一人暮らしで昼間仕事で留守がちの人には都合が良いのですが、夜中に活発に活動するのでうるさいと感じる人もあるようなのでご注意を。

お年寄りには、散歩の必要のないネコの方が向いていますが、まだまだ運動のお供がほしいという高齢の方には、運動量を考えて犬種を選んで下さい。きっと良き散歩仲間になり、犬の散歩を通じて友人も増えることと思います。ご自分が病気などの時に他の家族に頼めるかなどはあらかじめ確認しておくことは大事です。

小学生にはハムスターが人気ですが、残念ながら寿命が2年ほどしかないので、あっという間に死んでしまう印象があります。冬眠する習性のあるリスは、飼われている場合は冬眠しませんが、寒い日の朝には仮死状態になっていることがあるので、室温には注意してあげて下さい。

鳥類は種類によってその寿命は様々です。中には小学生の頃に気まぐれで飼ったインコを結婚の時に一緒に連れて行き、そのうち子供が生まれ小学生になり、飼い始めてから30年以上たってもまだ元気でびっくりしていると話していた人がありました。これは極端なケースかもしれませんが、一般的に鳥類は長生きで、しかも誰かパートナーを必要とするので、1羽でしか飼っていない場合は、鳥ではなく飼い主家族の誰かがパートナーになっている場合がほとんどです。パートナー(人)が長期に家を離れたり(旅行や出張、転居など)、パートナー(鳥)が死亡すると、体調を崩すことがあります。鳥は寒い時期には温め(体温42度)ておくことが大切です。

犬について

子犬の時にはかわいく愛らしい存在でも、大きくなるにつれ気がついたらわがまま放題。他の犬を見たら吠える、病院に来たら興奮して(または怖がって)手に負えない。普段はとってもお利口なのに、歯みがきや耳掃除など嫌なことをしようとすると豹変して牙をむく、ソファーや人のベッドを陣取って人間がくつろげないなど、小型犬でも飼い主さんが多くの悩みを抱えていることに診療の中で私たち病院スタッフは日々接しています。

しかし残念ながら、これらはほとんどが犬の問題ではなく飼い主の犬への接し方の問題。飼い主が変わらなければ犬は変わりません。訓練学校に入れた後、すごくお利口になって帰ってきたが、しばらくしたら元通り。でも訓練師の前ではばっちり優等生。よく聞く話です。犬はもう号令(規律)を学んでいますが、飼い主もまた号令の出し方(規律)を学ぶ必要があるのです。

生後4ヶ月頃までの子犬の社会化も重要です。この頃は多くの飼い主がワクチン接種や伝染病のことばかりを気にしていて、子犬の外でのいろいろな経験が不足していることが目立ちます。いろいろな音や経験を自然に受け入れやすい時期に、犬やネコ、小さな子供に接するなどのいろいろな経験が子犬たちの心の幅を広げていきます。

また、外見のかわいさだけで飼ったものの、運動量がそんなに必要とは知らなかったという話もよく聞きます。トイプードル、ジャックラッセルテリアなど小さくても中型犬並みの運動が必要な場合、狩猟犬や牧羊犬などもまた運動が少ないとエネルギーが発散できず問題行動に至ることがあります。犬を飼う場合、事前に犬種の特徴などを調べることも重要です。しかし、基本的には、どんなに小さな犬種でも、犬とは散歩や運動が必要な動物で、散歩とはトイレに行くためのものだけではありません。むしろトイレは自宅で済ませて、外ではトイレをさせないようにするのが本当のマナーです。

犬は群れ社会で生きる動物であり、群れ(飼い主家族)の中でリーダーや規律が必ず必要です。飼い主が本気でやれば、100%ではありませんが、多くの場合問題行動への対処は何歳からでも可能と考えています。

猫について

規律と運動が必須の犬に比べ、ネコは群れ生活ではなく個々で生きる動物で、犬とは全く異なります。ネコの性格により、べたべた寄ってくるネコと、近くまでは寄ってきても抱かれたり撫でられたりすることを嫌がるネコも少なくありません。

ネコの場合、トイレは砂でする習性を利用しているため、始めに何回かトイレの場所を教えれば、トイレの失敗はほぼありません。

ネコで相談を受ける問題行動は、2匹以上の飼育の場合と、攻撃性です。少ないのですが、一部のネコ種(アビシニアン、ロシアンブルーなど)では飼い主に危害を加えるほどひっかいたりすることがあります。しかし、ネコも運動不足やストレスがたまるといらいらしがちです。ネコが遊べるキャットタワーや隠れ場所を作ったり、ネコのおもちゃで遊ばせる(疑似ハンティング)などの運動でかなり軽減できます。

ネコは個々で生きる動物なので、ある程度の個人的なスペースを必要とするネコもいます。あまりにも過密になると自分の落ち着ける居場所がなく、他のネコと問題が起こるようになります。

また、ネコにやってはいけないことを教えるとき、犬は現行犯で、やったその場ですぐに注意することが大切ですが、ネコの場合、やったときに注意すると後で仕返しに来るだけで問題が改善しません。やろうとしている時に気持ちをそらすことが大切です。たとえば、カーテンを登ることを止めさせようとする場合、登ってから怒って下ろすのではなく、登ろうと身構えている時に、手をたたく、新聞などで床をたたくなど大きな音を立ててネコの登ろうという集中力を断ち切ります。これを根気よく続けます。ネコが音に驚いてハッとなり、そこを立ち去ればそれで十分です。もし、ネコが登ろうとしていないときに間違えてやってしまっても、頻繁でなければ問題ありません。

マイクロチップ

数ミリ×11ミリ程度の小さなチップを注射器のような機器で注射のように首の皮膚の下の脂肪組織内に埋め込みます。

中型犬以上ではワクチンのように“接種”できますが、小型犬の場合は、不妊手術や乳歯抜歯などの全身麻酔下での処置の際に一緒に“接種”すると痛くありません。

チップにはバーコードが埋め込まれており、特殊なリーダーで読み取れば、そのマイクロチップの番号が読み取れます。

マイクロチップの番号には飼い主情報をあらかじめ接種時に登録しておき、それが公益社団法人日本獣医師会などで保管されています。
犬やネコが行方不明になって保護されたときに、マイクロチップが入っていれば、その番号から飼い主情報が特定され、飼い主に連絡を取り家に帰ることができます。

また誰かに犬やネコを盗まれた場合、犬やネコは自分でしゃべることができないので、新たな飼い主にこの犬(ネコ)はの自分の犬(ネコ)だと主張されてしまえば、本当の飼い主がそれが自分の犬(ネコ)であると証明する手段がありません。

マイクロチップが入っていれば、たとえどのような経緯で他人に犬(ネコ)が渡ったとしても、その犬(ネコ)は本来の飼い主の飼い犬(ネコ)であると証明することができます。

外に頻繁に出かけるネコにも使えます。

将来的には犬の登録代わりに使うとか、全ての外来動物の輸入時にマイクロチップを入れて管理するなどのアイディアなどが出されています。

兵庫県西宮市では、西宮市開業獣医師会会員の各病院、西宮市動物管理センター、西宮警察署などにマイクロチップリーダーがあります。